チョ・ソンジン ザビーネ・マイヤー ソル・ガベッタ ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 第4番 Op.11「町の歌」

 チョ・ソンジン、ザビーネ・マイヤー、ソル・ガベッタによるベート―ヴェン ピアノ三重奏曲 第4番 Op.11「町の歌」。ソルスベルク音楽祭、2020年のライヴ。

 第1楽章。チョのピアノの闊達さが光る。マイヤーの雄弁さ、ガベッタも好演。しっかり支えている。第2楽章。ガベッタのしっとりした、味わい深い歌心が素晴らしい。マイヤーも呼応して、深々と歌う。チョも呼応している。第3楽章。「町の歌」のタイトルとなった主題による変奏が繰り広げられる。チョ、マイヤー、ガベッタが対話を交わすように進んでいく。全体に、暖かみある雰囲気が感じられる。コーダは8分の6拍子に変わり、見事な締めくくりを見せる。

 暖かみある雰囲気、闊達さ、歌心が一つになった演奏である。マイヤーの円熟ぶりも感じられた。