マルタ・アルゲリッチ シューマン ピアノ協奏曲 Op.54

 マルタ・アルゲリッチがズービン・メータ、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演したシューマン ピアノ協奏曲 Op.54。2022年9月18日、ヴィーン・ムジークフェラインザールでのライヴ。

 第1楽章。オーケストラ全体による和音から、アルゲリッチのピアノが始まる。シューマンのロマンが展開する。これ見よがしではなく、音楽と一体化している。オーケストラとピアノが一体化して、シューマンの音楽が会場を包み込む。

歌心も十分。第2楽章。シューマンの歌が内面からたっぷり歌われる。オーケストラもロマンを漂わせている。第3楽章。

シューマンの音楽が会場を包み込んでいる。アルゲリッチが豊かに歌い上げていく。メータもじっくりオーケストラを鳴らしていく。コーダの迫力も素晴らしい。

 アルゲリッチがシューマン、ピアノ五重奏曲で名演を聴かせていることを思うと、ピアノ協奏曲も名演である。小澤征爾、新日本フィルハーモニー管弦楽団と、板橋区で共演が予定されたものの、中止となったことが惜しい。この演奏を聴くと、アルゲリッチにはシューマンが相応しい。