アルトゥール・ルービンシュタイン ショパン ピアノ協奏曲 第2番 Op.21

 ショパン演奏の王道、アルトゥール・ルービンシュタイン、アンドレ・プレヴィン、ロンドン交響楽団によるショパン、ピアノ協奏曲、第2番、Op.21。88歳のルービンシュタイン、35歳のプレヴィンが見事な演奏を聴かせている。88歳とは思えない、ルービンシュタインの雄弁さ。歌、音色が素晴らしい。

 ショパンが初恋の女性、コンスタンティア・グラドコフスカへの思いを歌い上げた協奏曲。ルービンシュタインは深い歌心、詩情、透明な音色で歌い上げる。ポーランドに生を受け、ポーランドが生んだピアノの詩人、ショパンの音楽を深い愛情で歌い上げている。

 第1楽章の雄弁さ、詩情、歌心。第2楽章の深い歌、詩情には初恋の女性へのショパンの思いをたっぷり歌い上げている。初々しさ、はかなさが入り交じっている。第3楽章。マズルカによるフィナーレでも豊かな歌、詩情たっぷりで、これ見よがしではない。

 プレヴィンは要所をしっかり引き締め、ルービンシュタインのピアノを支えている。ショパンの協奏曲のオーケストレーションには問題があっても、指揮者、オーケストラも上手に解決している。クリスティアン・ツィメルマンのように、自前でオーケストラを作り、弾き振りで、見事なショパンを生み出した名演もある。これからのショパン、協奏曲の演奏にはオーケストレーションを全面的に見直し、真のショパンの音楽を引き出すことが重要かもしれない。