バッハ・コレギウム・ジャパン 第147回定期演奏会


 バッハ・コレギウム・ジャパン、第147回定期演奏会は3月21日がバッハの誕生日にちなみ、前半が3台のチェンバロのための協奏曲2曲、2台のチェンバロのための協奏曲、後半がバッハのオルガン作品、教会カンタータというプログラムであった。(東京オペラシティ コンサートホール)

 3台のチェンバロの協奏曲、第2番、BWV1064は華麗さ、精神性が調和した作品。鈴木優人、鈴木雅明、大塚直哉が素晴らしいまとまりを見せた。第1番、BWV1063、メンデルスゾーンがたびたび取り上げるようになり、イグナッツ・モシェレス、ジーギスムント・タールベルク、クラーラ・シューマンと共演を繰り返していた。ここでは鈴木雅明、大塚直哉、鈴木優人の順で見事なまとまりだった。2台のチェンバロのための協奏曲、BWV1060では鈴木親子ならではの素晴らしい演奏だった。

 後半、鈴木優人のオルガンでバッハ、プレリュードとフーガ、BWV535が演奏され、これも聴きどころたっぷりの演奏だった。鈴木雅明が指揮を取り、教会カンタータ、BWV30「喜ばしく舞い上がれ」では、加藤宏隆の堂々たる歌唱が素晴らしい。久保法之も注目すべきカウンターテノールの一人だろう。聴きどころたっぷりの歌唱だった。松井亜希、櫻田亮も好演。

 アンコール、教会カンタータ、BWV147から「イエスは我が喜び」を取り上げた。鈴木雅明が今のウクライナ情勢に対し、心からの祈りを込めたいとのアナウンスがあった。音楽家であっても、ウクライナ情勢から目を背けてはいけない。改めて考えさせられた。