カール・ベーム モーツァルト フィガロの結婚 K.492 その3

 カール・ベーム、モーツァルト、フィガロの結婚、第3幕。まず、フィッシャー=ディスカウの伯爵が今までのことを振り返り、どうなっているかと愚痴をこぼす。そこへ、伯爵夫人、スザンナがやってくる。伯爵はスザンナに言い寄るものの、スザンナがかわす。マティスが素晴らしい。フィガロが登場。しかし、伯爵は「溜息交じりに」で、思い知らせてやるぞ、思い通りにしてやるぞと息巻く。フィッシャー=ディスカウの見せ所である。

 さて、フィガロ、バルドロ、マルツェリーナとの裁判の場。伯爵は借金を理由に、フィガロにマルツェリーナとの結婚を迫る。ここで、フィガロが貴族出身、幼いころに誘拐され、親を探しているという。自分の腕のあざを見せると、フィガロがバルドロとマルツェリーナの子だとわかって、伯爵の企みは潰れた。それも知らずに、スザンナがやってくる。スザンナもバルドロとマルツェリーナが自分たちの両親だとわかって、大喜び。ここはモーツァルトの見せ所、プライ、マティス、ラッガー、ジョンソンが親子の名乗りを上げ、喜びに包まれたフィガロとスザンナ、バルドロとマルツェリーナの歓喜、フィッシヤー=ディスカウ、ヴァンティンの落胆ぶりを対比させている。ベームが見事に聴かせる。

 そこへケルビーノとバルバリーナがやってくる。セヴィリアへ行ったことになっている一方、伯爵の城の中にいる。伯爵夫人は、一人、夫の浮気を懲らしめるにも召使の力を借りざるを得ない無力さを嘆き、「幸せな日々は」で過ぎし日を懐かしむ。ヤノヴィッツが高雅でありながら、深い悲しみ・寂しさを秘めつつ、伯爵夫人の思いを伝える。

 一方、伯爵と庭師アントニオがケルビーノの服を手に取り、まだ、城の中にいることを知って、伯爵は激怒する。入れ替わりに、伯爵夫人とスザンナがやって来て、伯爵をおびき出す策略として、2重唱で「手紙」を書かせる。マティス、ヤノヴィッツが見事。

 いよいよ、結婚式。村娘たちが伯爵夫人へバラの花束を贈る。その中に村娘に姿を変えたケルビーノがいる。アントニオが見つけ、士官の帽子をかぶせる。伯爵は激怒、バルバリーナがケルビーノと結婚させてほしいという。フィガロとスザンナ、バルドロとマルツェリーナが入ってくる。まず、花娘たち、合唱が加わって、伯爵を称える。クリスタ・ドル、マルガレーテ・ギーゼが聴かせる。ファンダンゴ、スザンナ・伯爵夫人による偽手紙にご満悦の伯爵、それを見つめるフィガロのやり取り、プライ、フィッシャー=ディスカウのスリリングな共演が聴きものである。再び合唱、結婚式の締めくくりとなる。ベームの素晴らしいモーツァルトの世界が私たちをひきつける。

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コメント: 2
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    admin (木曜日, 21 4月 2022 05:47)

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  • #2

    admin (木曜日, 21 4月 2022 05:48)

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