人間とリズム

 この3月で終了するNHK総合テレビ「ためしてガッテン」では、人間とリズムとの関係を取り上げていた。まず、パーキンソン病の治療にメトロノームを用いた治療法から始まった。パーキンソン病の歩行障害が、人間のリズム障害であることが分かったため、メトロノームを用いると、歩行可能となった。それでも、薬の服用は続けてほしいとの注意書きがあった。

 人間には様々なリズムがある。包丁の音、大工の釘の音、駅員の切符の音。掛け声。その道の達人と言われる人々にもリズムがある。そうしたリズムが私たちの営みを作り上げてきた。また、力を抜くことで、素晴らしいものが出来上がることで、良いものが生まれる。

 メトロノームに戻ると、オランダの発明家、ディートリッヒ・ニコラウス・ヴィンケルが考案、ドイツの発明家、ヨハン・ネポムク・メルツェルが1816年、特許を取得、実用化が始まった。ベートーヴェンは、メトロノーム活用によって、自作が正しく演奏されることを望んでいた。ピアノソナタ第29番、Op.106「ハンマークラヴィーア」で、メトロノームの指示が用いられていた。

 今、メトロノームが病気治療に用いられるようになり、ヴィンケル、メルツェルをはじめ、ベートーヴェンをはじめとした音楽家たちはこれをどう思うだろうか。人間の中にあるリズムこそ、私たちの日常の営みを支えていることを改めて感ずる。その意味でも、興味深い番組だった。