ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤーコンサート 2022

 世界の音楽ファンあこがれの的、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューイヤーコンサート、2022は、ダニエル・バレンボイムを指揮台に迎えた。NHKEテレでは、ショパンコンクールで2位となった反田恭平、落語家、林家三平(2代目)、市川紗椰が登場した。

 2代目林家三平によると、昭和の爆笑王とうたわれた初代林家三平がクラシック音楽ファンだった。先般亡くなった柳家小三治もクラシック音楽ファンで有名だったから、落語家のクラシック音楽ファンはどれだけいるだろうか。2代目林家三平が、音楽の友に連載「古典(クラシック)音楽 どうもすみません」を出してきた。誰が読んでも面白さの中に、クラシック音楽の魅力を伝えている。

 バレンボイムは、音楽の力でユダヤとアラブの共存共栄を進め、長年にわたって政権の座にあったベンヤミン・ネタニヤフなど、ユダヤ至上主義者たちから「目の上のたん瘤」というべき、面白くない存在である。そんなバレンボイムの活動に対して、日本の音楽ファンたちがもっと関心を示すべきではなかろうか。

 今回はヨーゼフ・シュトラウスの作品が多い。エドゥアルト、ヘルメスベルガー、ツィーラーの作品もあり、19世紀ヴィーンの音楽文化の片鱗を垣間見ることができる。オペレッタ「こうもり」序曲では、2代目林家三平が初演された年を「いい話(1874)」と言った。さすが落語家。反田による、ピアノ版ピチカート・ポルカも聴きものだった。しゃれた味わいに満ちた演奏だった。後半、ヴィーン国立歌劇場バレエ団によるバレエが呼び物で、シェーンブルン宮殿、スペイン乗馬学校を舞台にした振り付けは見事である。「美しき青きドナウ」演奏の前、バレンボイムが音楽・社会とのつながりから平和への呼びかけを行った。私たちはこの声にこたえ、政治・社会への関心を高めたい。「ラデツキー行進曲」が鳴り響き、締めくくりとなった。

 2023年、ニューイヤーコンサートはフランツ・ヴェルザー=メストとなった。クリスティアン・ティーレマンと共にドイツ・オーストリアの大御所となった今、楽しみにしたい。