マルタ・アルゲリッチ ルノー・キャプソン フランク ヴァイオリン・ソナタ

 マルタ・アルゲリッチ、レナード・キャプソンによるフランク、ヴァイオリン・ソナタ、FWV8。フランクの傑作の一つで、ヴァイオリニスト必須のレパートリーである。ウージェーヌ・イザイに献呈した。

 第1楽章。展開部なしのソナタ形式。キャプソンの抒情性たっぷりの歌、アルゲリッチもキャプソンのヴァイオリンに応え、歌心・内面性豊かに応答している。

 第2楽章。激しい感情の高まり、静かな中間部との対比はむろんのこと、ヴァイオリン、ピアノと一体化して、素晴らしい高まりを見せる。

 第3楽章。レチタティーヴォ風の旋律とピアノが絡み合いながら、内面性豊かな世界を生み出す。聴いていて、静けさの中の孤独を感じた。

 第4楽章。カノンによるフィナーレ。両者が一体化して、フランクの音楽の本質に迫っていく。これ見よがしのない、自然でスケールの大きな演奏になっている。

 フランクはサン=サーンス、フォーレと共に国民音楽協会を結成、フランスの管弦楽作品、室内楽作品、ピアノ作品、歌曲などの復興に取り組み、ドビュッシー、ラヴェルへの道を切り開いた。サン=サーンスがハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンにこだわり、取り残されて行ったことに対し、フランク、フォーレが生き残った。フランス、ロマン主義音楽の一つの金字塔を打ち立て、印象主義音楽に繋いだことを思うと、ブラームスに触発された面もある。