マルタ・アルゲリッチ ショパン ピアノ協奏曲 第2番 Op.21

 マルタ・アルゲリッチ、シャルル・デュトワ、モントリオール交響楽団によるショパン、ピアノ協奏曲、第2番、Op.21

を聴く。第1楽章、オーケストラ提示部の豊かな響きは素晴らしい。デュトワの素晴らしい響きが聴こえる。

 初恋の女性、コンスタンティア・グラドコフスカへの思いが溢れている。1829年秋に完成、その後、ショパンはヴィーンを訪れた。ヴィーンはヨーゼフ・ランナー、ヨハン・シュトラウス1世によるワルツ・ポルカ・ギャロップが中心、ショパンのような真摯な音楽は全く相手にされにくかった。ベートーヴェン、シューベルトが世を去ったとはいえ、真摯な音楽すら顧みられなくなった。そんな中、ショパンはツェルニーにあったとはいえ、

「いい人です。それだけです。」

と言うだけにとどまった。

 それはさておき、初恋の女性への思いを歌い上げた協奏曲とはいえ、アルゲリッチは技巧をひけらかすより、ショパンの恋人への思いをじっくり、心から歌い上げていく。かえって、この協奏曲のロマン性、抒情性、歌心を引き出した演奏になっている。

 第2楽章。オーケストラの充実した響きに続き、ピアノによる素晴らしい歌が続く。アルゲリッチは、人生の歩みを振り返るかのように弾き進める。これ見よがしもなく、自然、かつ淡々と音楽を進めていく。3度も結婚、離婚を繰り返しながら、今の自分を見つめているような気がする。

 第3楽章。マズルカによるロンド・フィナーレ。アルゲリッチが自然、かつひけらかすことなく、ショパンの音楽を紡いでいく。デュトワもこれに応えている。ポーランドへの思いも伝わってくる。

 デュトワとの結婚生活と破綻、そして再会。アーティストとしての成果。アルゲリッチの人生を回想しつつ、これからの歩みへの決意を示したものとして評価したい。