サントリー音楽財団 サマーフェスティバル マティアス・ピンチャー


 サントリー音楽財団、サマーフェスティバル、今年のテーマ作曲家は1971年生まれのドイツの作曲家、マティアス・ピンチャーを取り上げた。(25日 27日 サントリーホール)

 室内楽作品では、チェロとピアノのための3部作「光の諸相」、トランペット・ホルン・アンサンブルのための3部作「音触」を取り上げた。

 「光の諸相」は第1曲「いま1」はピアノのための作品、永野秀樹が見事。「いま2」は無伴奏チェロのための作品、エリック=マリア・クチュリエが素晴らしい。「ウリエル」はクチュリエとピンチャーとのデュオ。これも聴き応え十分。

 「音触」は第1曲「天体1」はトランペットとアンサンブル、クレマン・ソーニエが好演。第2曲「天体2」はジャン=クリストフ・ヴェルヴォワットも好演。第3曲「掩蔽」は全てのものが一体化する。アンサンブル・アンテルコンタンポランも全力で支えた。

 オーケストラでは、1997年、アメリカ生まれの若手作曲家、マシュー・シュルタイス「コロンビア、年老いて」には、ドナルド・トランプ大統領に翻弄され、荒廃したアメリカが浮き彫りになっていた。ピンチャーの作品、2作。チェロとオーケストラのための「目覚め(ウン・デスペルタール)」は、岡本侑也が見事に演じた。「河(ネハロート)」は、新型コロナウィルスに苦しむ世界の姿を描き出した傑作である。

 ラヴェル「スペイン狂詩曲」は、スペイン絵巻が繰り広げられ、締めくくりとなった。ピンチャーが指揮者としてもすぐれた存在であることを示してくれた。

 2022年、テーマ作曲家はどうなるか。楽しみである。