日本フィルハーモニー交響楽団 第730回 東京定期演奏会

 日本フィルハーモニー交響楽団、第730回、東京定期演奏会は当初予定のピエタリ・インキネンが新型コロナウィルスのため来日できなくなり、新世代の音楽家、鈴木優人が指揮台に立った。(サントリーホール)

 ステンハンマル、序曲「エクセルシオール!」Op.13、シベリウス、ヴァイオリン協奏曲、Op.47、交響曲第6番、Op.104。北欧の作品によるプログラムである。ヴァイオリンは辻彩菜。

 ステンハンマルは日本でも「ステンハンマル友の会」ができたほど、近年注目されてきた。この序曲「エクセルシオール!」は、ブラームス、リヒャルト・シュトラウスの影響が強いにせよ、北欧の香りが漂う佳品。作品の魅力を伝える佳演だった。

 シベリウス、ヴァイオリン協奏曲は北欧の厳しい自然を伝える。辻の演奏も素晴らしい。オーケストラとの調和も考えられていた。

 交響曲第6番、Op.104では、形式を捨て去ったシベリウスの自由なファンタジーが伝わって来た。シベリウスは1929年以降、創作活動を止めてしまう。交響曲第8番の創作に携わるも、あまりにも孤高の存在となったため、創作の筆を進められなくなったことにある。ヤルヴェンバーの自然の中、かえって創作できなくなったと見るべきだろう。こちらも聴きごたえ十分だった。

 新世代の音楽家として注目される鈴木優人は11月、バッハ、平均律クラヴィーア曲集、第1巻のリサイタルが待っている。こちらも楽しみである。