ゲルハルト・オピッツ シューマン、ブラームスシリーズ 第2回


 ペーター・レーゼルと共にドイツ・ピアノ界を代表する大御所、ゲルハルト・オピッツが2015年から始めたシューマン、ブラームスシリーズ第2回はシューマンが森の情景、Op.82、ソナタ第1番、Op.11、ブラームスが3つの間奏曲、Op.117、ソナタ第1番、Op.1であった。

 森の情景はドレースデン時代のシューマンのピアノ作品の名作。狩りの情景、寂し気に咲く花をはじめ、不気味な風景、夜の神秘さから森を離れ、町へ帰っていく旅人の思いが伝わって来た。ソナタはクラーラ・ヴィークに捧げたこともあり、当時のシューマンの思いのたけを表現した見事な演奏だった。ただ、最近、シューマンの結婚に関する文献も出て、クラーラとの結婚には父リードリッヒ・ヴィークが頑強に反対した事情が明らかになると、本当に幸せな結婚だったかを再検証する時期に来ている。

 ブラームス後期の名作、3つの間奏曲では晩年のブラームスの諦念が浮き彫りになっていた。ブラームスの記念すべき第1作となったソナタは若きブラームスの野心、ロマン性が調和した素晴らしい世界を描きだしていた。

 アンコールはブラームス、間奏曲Op.118-2。聴き手の心に沁みわたる演奏だった。

 

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コメント: 1
  • #1

    渡邉晶子 (金曜日, 16 12月 2016 23:32)

    風邪気味で、チケットを友達から譲って貰ったのに、行きそびれてしまった!惜しいことをしました。次は是非聴きたいと、コメントを拝見して思いました…