音楽愛好家たちの町おこし

 Facebookを見ていると、「聴き逃されていた音源を再発見し、文化として楽しもう」という趣旨のもと、大井町レコード倶楽部が結成されたという。

 1980年代はLPレコードからCDへと変わり、今はCD主流となって久しい。そんな中でSP、LP時代の演奏で聴き逃され、忘れられた演奏を再発見しようと始まった音楽愛好家たちの集まりは評価すべきだろう。ただ、眉間にしわ寄せて聴くより、飲み物を片手に音楽を楽しもうという姿勢は素晴らしい。

 第一、クラシック音楽愛好家は真剣に音楽を聴くだけで、あまり面白くない存在と捉える向きが多い。ここでは、飲み物を片手に気楽に、お喋りしながら聴こうという、肩の凝らない集まりになっているという。肩肘張らずに楽しもう。これがクラシック音楽愛好家の層を広めることになるだろう。

 この発起人となった石田陽一郎氏は東京、大井町で12年間商業に携わっておられ、ここから文化発信、町おこしを考えているそうである。音楽愛好家たちが飲み物を片手に、お喋りしながらレコードに耳を傾け、今まで忘れられていた音源を再発見していく、肩の凝らない集まりから、文化発信、町おこしにつなげる試みが広まっていくことを祈りたい。